補助術式:運用編(黒閃・領域展開・帳・死滅回游・反転術式・呪骸)
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この章は「6原理」を読んだ後に、実戦で安定して当てるための運用ノウハウ集です。
- 6原理:プロンプトの“術式強化”
- 運用編:プロンプトを取り巻く“戦場の設計”
以降は比喩として呪術用語を使いますが、狙いはあくまで 実務の再現性・安全性・評価可能性です。
1. 「帳」:安全なVibe Coding/ツール操作の隔離環境
比喩
帳は「外から見えなくする」「影響範囲を区切る」ための結界。
実務に落とす
LLMにツール操作やコード生成をさせるときは、 環境(権限・範囲・ログ)を分離して事故半径を小さくします。
- 実行を“本番”から切り離す(検証環境、コンテナ、権限分離)
- 触っていい範囲を限定(ディレクトリ/コマンド/API)
- 自動実行には承認ゲート(人間のOKがないと走らない)
- ログを残す(後述の「残穢」)
コピペ(安全ガードレール・プロンプト)
あなたは安全監査担当です。私はLLMを使ってツール操作(例:ファイル編集、コマンド実行、API呼び出し)を行います。
以下の条件で「安全設計」を点検してください。
【開示】
・作業目的:<<<>>>
・実行環境:<<<例:ローカル / コンテナ / 共有サーバ>>>
・触る対象:<<<例:特定フォルダのみ / 特定リポジトリ>>>
・権限:<<<例:読み取りのみ / 書き込み可 / 管理者権限なし>>>
【縛り】
・危険がある場合は、代替案(より安全な手順)を必ず提示
・不明点は推測しない。確認質問を最大5つ
【出力】
1) リスク(重大度A/B/C)
2) 予防策(環境・権限・手順・ログ)
3) 実行前チェックリスト(最大10項目)
チェックリスト
- 「どこまで触るか」が環境的に強制されているか(ルールではなく仕組み)
- 自動実行の前に、人間の承認ポイントがあるか
- ログ(何を、いつ、誰が、どう変えたか)を残せるか
具体的なチェックリストは
safety/veil-checklist.mdにも置いています。
2. 「死滅回游」:ベンチマークで“強さ”を測る
比喩
死滅回游は「ルールがあり、得点があり、条件を揃えて競う」ゲーム的構造。
実務に落とす
LLMは“雰囲気の良さ”で評価すると、改善が止まります。 タスク・ルール・採点を固定し、比較可能にします。
- 同じ入力セットを使う
- 出力フォーマットを固定する(縛り)
- 採点基準(ルーブリック)を明文化する
- モデルやプロンプトを変えたら、条件も記録する(残穢)
コピペ(軽量ベンチマーク設計)
あなたは評価設計者です。以下の目的に対して、LLMのベンチマーク(比較テスト)を設計してください。
【目的】
<<<例:要約品質を上げたい/企画の提案力を比較したい>>>
【制約】
・テストケースは3〜7個
・採点は5段階で、観点は最大5つ
・主観が入りすぎないよう、観点ごとに「良い例/悪い例の定義」を短く添える
【出力】
1) テストケース一覧(入力の概要)
2) 出力フォーマット
3) 採点ルーブリック(表)
4) 運用手順(誰がいつ採点し、どう記録するか)
実体は
benchmarks/に雛形を用意しています(タスク3種+採点表)。
3. 「反転術式」:理想出力から逆算してプロンプトを作る
比喩
反転術式は“治す”ための高等な操作。ここでは、 理想(正)から逆算して、入力(負)を整える発想として使います。
実務に落とす
最短で強くなる方法は「先に理想の出力仕様を定義する」こと。
1) 理想出力の仕様(評価基準)を作る 2) 仕様を満たすための入力条件・手順・禁止事項を逆算 3) 生成→評価→修正のループを回す
コピペ(逆算テンプレ)
あなたはプロンプト設計者です。
私は「理想の出力仕様」から逆算して、最適なプロンプトを作りたいです。
【理想の出力仕様】
・用途:<<<>>>
・読み手:<<<>>>
・形式:<<<例:見出し+箇条書き/表/JSON>>>
・必須要素:<<<箇条書きで>>>
・禁止:<<<例:推測の断定/誇大表現>>>
・評価基準:<<<例:正確さ、簡潔さ、網羅性>>>
【素材(入力)】
<<<ここに元情報>>>
【出力】
1) 仕様を満たすために不足している情報(質問)
2) 完成プロンプト(コピペ可)
3) そのプロンプトの意図(スコープ/縛り/開示/フル詠唱の観点で短く)
プレーン版は
prompts/reversal-design.txt。
4. 「呪骸」:自動で動くエージェント(ただし“帳”と“縛り”が必須)
比喩
呪骸は「自立して動くもの」。 便利だが、動けば動くほど コストとリスクも増えます。
実務に落とす
エージェント(自動化)は、入門者が最も事故りやすい領域です。 採用するなら最低限、次を守ります。
- 目的と権限の最小化(最小権限)
- 変更前レビュー(差分確認)
- 実行前の人間承認
- ログ(残穢)とロールバック
コピペ(エージェント用・ガードレール)
あなたは自動化エージェントの設計監査担当です。
以下の「自動化案」を、事故が起きない設計に直してください。
【自動化案】
<<<やりたいこと>>>
【環境(帳)】
・実行環境:<<<>>>
・触る範囲:<<<>>>
・権限:<<<>>>
【縛り】
・実行は必ず「提案→差分→承認→実行→ログ」の順
・不明点は推測で進めない
【出力】
1) 危険ポイント(重大度つき)
2) 安全なワークフロー(手順)
3) 承認ゲートで確認すべき項目(チェックリスト)
詳細ガードレールは
safety/agent-guardrails.md。
5. 「黒閃」:ドはまり出力を“再現性”に変える
比喩
黒閃は「たまたま完璧に噛み合った一撃」。 再現が難しいからこそ、出た瞬間に“学習”へ変換する価値があります。
実務に落とす
「当たり」を出したら、次にやることは一つです。 条件をログ化し、固定し、再現できる形にする。
- モデル名、温度などの設定、入力素材、プロンプト、出力、評価をセットで保存
- どこが効いたかを短くメモ
- 次回は“同条件”で再実行 → 微調整
コピペ(黒閃ログ:プロンプト・カード化)
あなたはプロンプトの実験記録係です。
以下の「当たり出力」を再現できるよう、実験ログ(プロンプト・カード)を作ってください。
【当たり出力】
<<<ここに貼る>>>
【元の入力】
<<<入力素材(テキスト、要件など)>>>
【使ったプロンプト(もしあれば)】
<<<ここに貼る。なければ「なし」>>>
【出力】
- 目的(1行)
- 使った条件(モデル/温度等/制約)
- 有効だった指示(箇条書き)
- 次回の再現用プロンプト(コピペ可)
- 改善の余地(1〜3個)
プレーン版は
prompts/black-flash-log.txt。
6. 「領域展開」:上位モデルだけでなく“土俵”ごと強化する
比喩
領域展開は、ただ出力が上がるだけではなく、 当たりやすい土俵を作り、外さないための到達点。
実務に落とす(3層)
1) モデル(呪力量):上位モデル、適材適所の選定 2) 環境(結界):RAG、ツール、ワークフロー、メモリ 3) 必中化(術式付与):フォーマット・評価基準・禁止事項で“当てる”
「上位モデルを使えば解決」ではなく、 モデル×環境×縛りの組み合わせで到達します。
コピペ(領域展開:構成プロンプト)
あなたはLLM活用のアーキテクトです。
以下の目的を達成するために、「モデル選定」「環境設計」「必中化(制約)」をセットで提案してください。
【目的】
<<<例:社内FAQ対応を安定させる/教材作成を高速化する>>>
【現状】
・入力素材:<<<例:社内ドキュメント、規程、FAQ>>>
・頻出の失敗:<<<例:根拠不明の断定、形式のブレ>>>
【制約】
・個人情報や機密は外部に出せない
・運用は小さく始めたい(最小構成→拡張)
【出力】
1) 推奨モデル運用(なぜそのモデルか)
2) 環境(RAG/ツール/フロー)の最小構成
3) プロンプトの縛り(形式・評価基準・禁止事項)
4) 検証計画(ベンチマークの作り方)
7. 「呪術師/呪詛師」:強い術式ほど“線引き”が重要
比喩
人を助けるために術を磨くのか、災いをなすために使うのか。 同じ強さでも、使い方で結果は真逆になります。
実務に落とす(安全・倫理)
- 個人情報・機密の取り扱い
- 誤情報の検証(一次情報への当たり)
- 自動化の承認・監査(帳・残穢)
- 人を傷つける出力を避ける縛り
本プロジェクトは、学習・業務改善・創作支援のための利用を意図しています。 有害行為や違法行為を助長する用途は扱いません。
補遺:呪具=ツール、残穢=ログ
- 呪具=ツール:検索、計算、スプレッドシート、エディタ、実行環境…「プロンプト単体」より、現実に接続する。
- 残穢=ログ:当たり(黒閃)を再現に変える。ベンチマークの信頼性も上げる。
「強さ」は、プロンプトの文言だけではなく、 道具と記録で“運用として成立”します。